Vol. 10 診断までの2年、そして今──タテヤマさんと語るパーキンソン病のはじまり
この記事は、パーキンソン病とともに生きる方の個人の経験に基づく内容です
初期症状は突然の震えから
こんにちは。今日はパーキンソン病歴5年目のタテヤマさんに「診断当時のこと」について聞いていきたいと思います。タテヤマさん、よろしくお願いします!
お願いします。
ごめんなさい、今日はちょっとオフ*7気味なんですけど、このままやっていきたいと思います。
はいー!
パーキンソン病は色んな症状があると思うんですけど、診断される前の初期症状ってどういう風なのだったか覚えてますか?
僕の場合は左足が震えてるんですけども、そっからですよね。初期症状がもう振戦*1でした。
あっ、震えから始まったんですね。
はい。
私の場合は足の引きずり、食器の洗いにくさとかから始まって、あと足が引きずってるって周りから指摘されたんですけど、初期症状も様々、違いますね。
完全に僕はもう震えで、夜いきなり震えだしたんで。
急に震えだすって感じですか?
そうですね。
そっか。昨日までなかったのに今日震えてる、みたいな?
あの、転職したんですよ、僕。その年に。
あっ、転職?
1月に転職して、3月に震えだしたんです。
あー、なんか初めはストレスかなって感じじゃなかったですか?
そうですね。
診断までにたどった受診の道のり
初め受診した「科」っていうのは、震えだったんでどこだろう。整形?
僕もよくわかってなかったですけど、すぐ治るだろうと思って、疲れかなと思ってたんです。でも当時コロナが流行ってたんですよ。なので心療内科が、予約しても3か月先って言われたんですよ。
えぇー! 初め、心療内科に通おうかなという感じだったんですね。
そうです。ストレスかなと思って。
そっか。
よそを見たらどこも3か月以上待つってことだったんで、脳神経内科の方に行きました。
最初から。すごい! じゃあその選択がドンピシャだったんですよね?
ですかね。
でもそこではMRI*2撮ったんですよ、初日に。
あー、神経内科で。
それも異常はないと言われて。
あー、そうね。
で、そのまま帰って。どうすればいいですかって聞いたら、薬も何もなくて、「そのままいつも通り過ごしてください」って。
様子見みたいな感じだったんですね。
うん。そのまま帰されちゃって、薬ももらわずに。本当に何もなかったですね。
私の場合は、食器洗えないとか足引きずるとかだったんで整形行ったんですよね、初め。で、看護師してた時、脳外で働いてたことがあったんで、脳かなと思って脳神経の方にも行ったんですけど、私もそこでMRIはしたんですよね。でもやっぱり異常はないよって言われて、脳の方では特に薬ももらわずに帰ってきましたね。私の場合、2年ぐらいかかりましたもんね。
そうそう。
そうなんですよ。あと、脳神経内科の印象……脳神経内科って結構、脳自体、高齢者が行くようなイメージがあるんですけど、初め行った時どんな感じでした?
確かに周りは若い人いなかったです。
そうですよね。認知症とかそんなイメージですよね。誰かが寄り添って連れてくるみたいな。だから私も神経内科で、なんか本当に私ぐらいしかいなかったですよね、若い人は。だからちょっとショックでしたね。なんか脳っていう響きだけでショックじゃないですか?
僕は脳は異常ないって言われてたんで、「じゃあ良かった」と思って帰ってきたんですけどね。
そっか、その時は異常ないって言われてたからですね。
そうですよね。僕、この病気に対してあまり知識なかったんですけどね。
まぁ、そうですよね。パーキンソン病自体、聞いたことなかった感じですか?
名前しか知らなかったです。
そうですよね。普段あまり関わることなかったらわかんないですよね、病気とかね。
確定診断の検査と、病院・医師との相性
パーキンソン病って確定診断される時の検査ってどういう風なことしましたか?
検査は確かダットスキャン*3だと思う。
あぁ、ダットスキャンありますね。私の場合、脳神経シンチと脳ドパミンシンチ*4っていうやつをしたんですよね。
それやりましたね、それも。
あっ、やりました? 結構本当高いんですよね。なんか1日ぐらい検査に時間かかるし、お金もすごい高いし、パーキンソン病かもしれないというその疑いで、二重のショックの中で、お金は高いし病気はパーキンソンかもしれないし、みたいな感じですごい不安な気持ちだったのを覚えています。
全然、運転もできたんですけど。
車の?
そうです。検査は別のところでやったんですよ。
今の病院じゃなくて?
僕、病院コロコロ変わっちゃってるんで。
あぁ、そうなんですね。
多分10か所くらい行ったんじゃないですかね。
すごい! それはパーキンソン病のセカンドオピニオン的な感じで行ったって感じなんですか?
それも、確定後も変わってるんで、確定してくれた先生のところではないんですよ。
そうなんですね。パーキンソン病って一生の病気なんで、先生との相性がすごい大切だなと、そう思ってるんですけど。だから色んな患者さんと接する中で「合わない」っていう人もいるんですよね、先生と。
なるほどね。
そういう時は本当に勇気を振り絞って他のところに行った方がいいかなと、私は思いますね。
色んな考えの先生がいますもんね。
合う合わないっていうのは仕方がないかなとは思うけど、やっぱりね、一生の病気なんで良い先生と出会うのが一番いいですよね。
外科でも内科でも違いますよね。
そうそう。そうなんですよ。DBS*5も先生は外科でするけど、診るのは内科だったりとかいう感じで、ちょっとね、そこら辺もなんかバラバラで、患者としては微妙だなとは思うんですけどね。
うーん、それは分かります。外科と内科で分かれてるって、手術後も言ってたんですけど、外科の先生は「薬は僕が指示しますんで」って言って。
内科の先生に指示からっていう感じで?
そうですね。何のために内科行ってんだろうって思って。
そうなりますよね。外科でずっと診てくれてたらいいのにって。
そうですね。ちょっと遠いってのはあったんですけどね。
私もちょっとその辺は微妙だなと思って。連携が取れてなかったりとかもしてるんで、どうなんだろうなと思うんですけど、その辺って患者としては言えないし。
オフのしんどさと、仕事・生活への影響
オフ来ちゃうと、言わなきゃと思ってても「もういいや」と思って、オフ来ちゃったら帰ろうって思って。
そうそうそうそう。
そうなんです。オフが来たら何もかんもどうでもよくなっちゃうから、もうこのまま去りたいと思ってる。
わかる、本当に。
本当にしんどいもん。何言ってるのか、わかんなくなっちゃうし。
確定診断されるまでにかかった年数っていうのはどのくらいですか? 体の異変を感じてから。
2年くらいだったと思うんですよ。
同じだ。私も2年くらいで、初めは異変を感じて、そこから整形行って脳外行ってみたいな感じで。結構初め整形に行くっていう方多いですね。
そうなんですか?
そうなんです。痛みとか動きにくさとか、そういう風な症状から始まる人もいて。私の場合も動きにくさだったんで整形とかに行きました。整形の時に胸郭出口症候群*8って言われました。初めの診断。
そんな名前だったんですか?
そうそう、全然別の名前だったんですよ。なんかちょっと違うだろうなと思って疑ってたけど、でもパーキンソンだとは思ってもなかったんで、私も。
そうなんですよね。
2年か。でもやっぱり2年間って結構大変じゃなかったですか? 仕事してますよね?
仕事しながらだったんで、転職したばっかりだったんで、覚えることがたくさんで。
そうですよね。仕事してるから本当にすごいなって思うんですよ。外に行ったりとか、オフでもこうやってZoomだからこそできるわけであって、この状態で外で仕事行けっていうのは、さすがに無理だなって思うんですよね、オフの時に。
僕はもう手術後は、任せられるものはないと言われたんで。
任せられるものはないって言われたんですか?
そうですね。仕事は今、辞めざるをえない感じ。
それってなんか、ねぇ、どうなんだろうって感じですよね。「任せられるものはない」とか言われたって、こっちだって生活があるしって感じですよね。
そうですね。傷病手当はもらって、今、失業保険ですかね。
オフの状態はどんな感じですか? 1日に結構来てますか? DBSした後とかでも。
ありますけど、まだ良くなってきたかなっていう感じはありますね。DBS前はホント立てなくなってたんで。
あー、私もDBSしてなかったらどんな状態だろうって思いますもんね。想像すると怖いぐらい。
薬を飲んで効いてる間に移動しないと立てなくなってたんで。
今、DBSしてからはだいぶいい感じですか?
まぁ、そうですね。ジスキネジア*6は落ち着いたけど、オフの方がやっぱりこうやってちょこちょこあるんですよね。
私の場合も、ちょこちょこキツいですね。そうなんですよ。ちょこちょこキツいですよね。ベースというか土台は上がったけど、オフの程度はまぁ楽になったような気がするけど、でもやっぱりちょこちょこ来てるんで。こんな感じで、なんでなんかいまいちですよね。なんか動きもしんどいしみたいな。
うーん。
何言ってんのかわかんないけど、一応ペチャクチャ喋れてるから、まぁまだマシなのかなと思うけど、それでもしんどいですよね。
診断を告げられた時の気持ちと、朝や夜の不安
あとパーキンソン病って診断された時の気持ちってどんな気持ちでしたか?
当時ですよね。まずパーキンソン病って名前しか知らなかったんですよ、本当に。
あぁ、そう言ってましたね。
その時も名前しか知らなかったんで、何それ?って感じで。
あぁ、パーキンソン病。
とりあえず診断がついた、みたいな。名前しか知らないからなと思って。先生にこういう病気ですってのを見た瞬間、「完治なし」っていうのを見た瞬間に、ちょっと「えっ?」と思った。
そうですよね。そうなんですよね。進行して行くけど完治もしないし、みたいな感じですよね。
しかもそれが原因で死ぬことはないから安心しなさいって言われたんですよ。
あっ、死ぬことない。
そうそう。パーキンソンになったからって死なないよって。
そうなんですよ。それが辛いなと思って逆に。
わかる。
なんかね、分かります。本当に進行していって、ひどくはなるのに、でも死なないっていうのも、ある意味ちょっと残酷ですよね。やっぱり私たちからすると、進行していって止めることもできないし、完治もしないのに、でも死ぬこともなくこのまま寿命を全うするっていうのは結構酷ですよね。正直言って。
そうですね。
本当に私もそれは思いますね。そう、でも日々こうやってなんとか生きてはいますけどね。朝、怖いですけど。寝るのも怖くて、一時期。
寝るのが怖い。
明日動くかな、とか。
あっ、わかる。
それ本当に。
今はDBS入ったんで朝が動くんで良くなりました。震えてますけどね、すごい。
震えるんですか?
震えますね、すっごいです。
でも朝は普通に起きる感じですか? 震えてるけどオフではないみたいな感じ?
オフだけど、無理やり動かしてます。
あー、やっぱそうか。私もそうしてますね。DBSをして動けるからオフだけど、でもなんとか動けるけど、でも色んなことはできないよ、みたいな感じですよね。
そうですね。細かいことはできないけど、でもトイレとかは動いて行けるよ、みたいな感じかな。
暮らしの工夫、トイレ問題、睡眠の悩み
今、子どもがいるんですよ。4人で同じ部屋で寝てたんですけど、1階寝室で2階が僕らメインの住居だったんですよ。1階で寝ててトイレ行くの大変でしょって言って、2階に僕だけ上がったんですよ。部屋出るとすぐトイレ、みたいな感じにしてくれたんです。
おー、いいですね。
今のところ、そっちの方が問題はないかな。
今年、この冬になってからすごいトイレ問題が、私の中で深刻で。引っ越したらちょっとトイレが遠くなっちゃったんですよね。
どこからですか?
寝室からちょっと遠くなって。私、夜中の2時とか3時とかにトイレに起きるんですけど、突進したら下に響くからうるさいかなと思って、ハイハイで行ってるんですよ。ハイハイじゃないと突進もひどくなったんですよね。
DBSをして僕もなりました。
やっぱそう、突進ありますよね。なかったんですけど、今まで。私もなかったし、突進って何だろうぐらいの勢いだったんですけど。
家の中でも?
家ってある程度狭いじゃないですか、限られてるから。家はぶつかって止まる感じですね。だからそれだったら夜中、突進したらうるさいだろうなと思ってハイハイして行ってます。ハイハイでないとホント漏らしそうになるんですよね。トイレ、本当に結構深刻です、私の中では。
困ります、それは。
そう、ホントに。慣れたところでしかできないですね。
出先じゃできないですね。
うんうん、できないですね。奥さんとかが気を遣ってトイレの場所とかを近くにしてくれたのは、すごい助かりますよね。
多分ですけど、本当の理由は違ったらしいんですけども。
本当の理由は違った?
いびきがうるさいって子どもが言ったって。
あー、なんかパーキンソン病って、いびきというか寝言が結構あるらしいですよね。
そうなんですね。見ますよ、悪夢。
夢系は私あんまりわかんないんですよね。悪夢って言っても、ごくたまに怖い夢を見るくらいなんで。パーキンソンになる前から見たりもするんで、その程度かなという感じなんですけど。結構頻回に見ますか?
デエビゴ*9飲んでるんです。
あっ、眠剤飲んでるんですか?
そうです。その関係で、眠剤の副作用に悪夢があったと書いてあった気がするんですけども。
そうか、薬の影響かもしれないですね、もしかしたらね。私なんかね、ここ最近よく眠れるようになって、眠れるっていうか8時くらいからすごい眠くなって、それから2時、3時くらいにゴソゴソ起きてる生活してます。寝れるには寝れてる。時間的には寝れるようになったんです。寝れないって言ったり、寝れるようになったって、よくわからないですよね。寝れない時は2、3時間で起きて生活してたし。この前2、3時間しか寝れませんって言ってるYouTubeを撮ったんですけど、そう言った矢先に4、5時間よく寝れるようになったりとかもして、何が原因かわからないんですけど。
症状日誌でもつけようかなと思ったんです。何があったから良くなったとか、何があったから悪くなったとか、わかるかなと思ったんですけども。
そういうのをつける、そこまでいかない。
字も書けないからつけにくいことはつけにくいんですけど、オフの時って症状日誌書けないからね。
それを思い出して書くのも難しいし、オンの時にオフのことを思い出してそれを一気に書くのも、ちょっとしんどいなと思って、結局進まないですよね。
そうですね。
思い出して書くと憂鬱な気分になって、オフになったりとかもするんですよね。
はい。
いやー、やっぱりなんか難しいですね。そのオフ、オフの時、症状日誌か。で、症状日誌は今書いてない感じですか?
書いてないですよね。
書いた方がいいですよね、ホントは。書いてて自分の変化っていうのを見るのが一番良いんですけどね。なかなか行き着かないですよね。
そうですね。
今日はタテヤマさんに診断当時のことについてお聞きしました。ありがとうございました。
ありがとうございます。
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本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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