パーキンソン病の集束超音波治療、脳の両側への施術が米国で承認
米コーネル大学は2026年10月29日、MRIガイド下集束超音波治療(MRgFUS)によって、パーキンソン病患者が活動的な生活を取り戻した事例を発表しました。この治療は、MRIで位置を確認しながら超音波を脳内の特定部位に集中させ、運動症状に関係する異常な神経信号を遮断するものです。脳深部刺激療法(DBS)とは異なり、頭部の切開や電極の埋め込みを必要としません。
ワイル・コーネル医科大学などの研究チームは、パーキンソン病患者54人を対象に臨床試験を実施しました。このうち40人が脳の左右両側への治療を受けました。米国FDAの評価では、2回目の治療から3か月後、86%の患者が何らかの改善を報告し、62%が両側治療に満足していました。この結果などを基に、FDAは2025年7月に段階的な両側治療を承認し、2026年3月には米国の公的医療保険Medicareの適用対象となりました。
記事で紹介されたスタン・アウさんは、パーキンソン病と診断されてから12年が経過し、手の震えによって食事や署名も難しくなっていました。最初の超音波治療で震えや運動機能が改善し、9か月後に反対側の脳にも治療を受けました。現在はハイキングやピックルボールを再開しています。ただし、薬剤を持続的に投与するポンプも併用しており、生活機能の改善には複数の治療が寄与していると考えられます。
一方、2回目の治療による追加的な運動機能の改善は初回より小さく、発話や歩行、バランス機能に問題が生じるリスクが高まることも確認されました。また、切開を伴わない治療ですが、脳内に微小な損傷を作るため、その変化は基本的に元に戻せません。パーキンソン病そのものを治癒させる治療でもありません。
出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
この記事をシェア
パーキンソン病とともに生きる毎日を、
生活のリズムから支えるデジタルコンパニオン
知りたい情報をあつめることから、薬・栄養・活動を「その日の時間」に合わせて整えることまで。患者さんとご家族の毎日を支えます。