幹細胞から作った神経細胞を移植 パーキンソン病で症状改善
パーキンソン病で失われていくドーパミン神経を、幹細胞から作った新しい神経細胞で補う治療が一歩前進しています。報告された2つの臨床研究では、合わせて19人のパーキンソン病患者に、ドーパミンを作る神経細胞のもとになる細胞を脳へ移植しました。一方の研究ではヒト胚性幹細胞由来の細胞を12人に移植し、約18か月後にも脳内でドーパミンの増加を確認。もう一方では、ドナーの皮膚細胞から作製したiPS細胞をドーパミン神経へ育て、7人に移植しました。こちらでも2年以上にわたって細胞が働き、運動症状の改善が報告されています。
今回の重要なポイントは、患者一人ひとりから細胞を作るのではなく、ドナー由来の細胞をあらかじめ準備して使う「他家移植」が採用されたことです。大量の細胞を安定して作れるようになれば、将来より多くの患者へ治療を届けやすくなる可能性があります。一方、拒絶反応を防ぐため免疫抑制薬が必要になるなど、解決すべき課題もあります。
パーキンソン病の薬は不足したドーパミンを補い症状を抑えることが中心ですが、細胞移植は失われた神経そのものを補うという異なる考え方の治療です。今回、重大な安全性の問題や腫瘍形成が確認されなかったことは前向きな結果です。ただし、参加人数は少なく、患者も治療を受けたことを知っている非盲検試験だったため、症状改善にはプラセボ効果が含まれる可能性があります。実際の治療としてどの程度有効なのか、効果が何年続くのかを判断するには、より大規模な臨床試験での検証が欠かせません。
詳しい内容は元記事をご覧ください
出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
この記事をシェア
パーキンソン病とともに生きる毎日を、
生活のリズムから支えるデジタルコンパニオン
知りたい情報をあつめることから、薬・栄養・活動を「その日の時間」に合わせて整えることまで。患者さんとご家族の毎日を支えます。