表観遺伝編集が切り開く次世代の遺伝子治療
これまでのCRISPR遺伝子編集は、DNAそのものを書き換える技術として医療の世界に大きな変革をもたらしてきました。しかしDNAを切断することで、想定外の変異や遺伝情報の永久的な変化を引き起こす可能性が課題とされてきました。
そこで新たに注目されているのが「表観遺伝編集」です。この技術はDNA配列を変更するのではなく、遺伝子に付く化学的な目印を操作し、特定の遺伝子を働かせたり休ませたりします。本の文章を書き換えるのではなく、読むページに付箋を貼るようなイメージです。
米Epicrispr社は面肩甲上腕型筋ジストロフィー患者を対象に世界初の臨床試験を実施し、治療から6か月後に平均0.4キログラムの筋肉量増加を報告しました。また、米国企業はB型肝炎治療への応用も進めています。
研究者は、この技術がパーキンソン病やハンチントン病など、異常な遺伝子発現が関与する病気にも活用できる可能性があると期待しています。パーキンソン病では遺伝子変異だけでなく、遺伝子の働き方の変化が病気の進行に影響すると考えられており、将来的には病気の進行を抑える新しい選択肢になるかもしれません。
一方で、がんを防ぐ遺伝子や免疫に関わる遺伝子を誤って抑えてしまう危険性も指摘されています。長期間にわたって安全かつ正確に遺伝子を制御できるかが、実用化への大きな課題です。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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