パーキンソン病の遺伝子治療 5年間の追跡で安全性を確認
パーキンソン病の神経細胞を守ることを目指す遺伝子治療「AAV2-GDNF」について、治療後5年間の追跡結果が「Movement Disorders」に発表されました。対象は進行したパーキンソン病患者13人で、MRIで位置を確認しながら、脳の左右の被殻へ治療用の遺伝子を送り込みました。
この治療は、神経細胞の生存や働きを支えるGDNFというタンパク質を脳内でつくらせることを狙ったものです。5年間で562件の有害事象が記録されましたが、13件の重篤な有害事象はいずれもAAV2-GDNFが原因とは判断されませんでした。また、脳出血や中枢神経感染、脳腫瘍など、あらかじめ定めた試験中止基準に該当する問題もありませんでした。
一方、運動機能を評価するUPDRSや日常生活動作、レボドパ換算投与量などでは、治療前から統計的に明確な改善は確認されませんでした。PET画像では治療した場所に生物学的な変化がみられましたが、遺伝子が届いた範囲は被殻の平均約26%にとどまり、十分な範囲へ届ける技術が課題として浮かびました。
今回最も重要なのは「効果が証明された」という結果ではなく、脳へ直接遺伝子を届ける方法を5年間追跡した安全性データが得られたことです。参加者は13人と少なく、比較対象を置かない第1相試験のため、有効性について結論は出せません。その後の研究ではより広い範囲への投与も試みられており、安全性を確保しながら神経細胞を守る効果につなげられるか、今後の臨床試験が注目されます。
詳しい内容は元記事をご覧ください
出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
この記事をシェア
パーキンソン病とともに生きる毎日を、
生活のリズムから支えるデジタルコンパニオン
知りたい情報をあつめることから、薬・栄養・活動を「その日の時間」に合わせて整えることまで。患者さんとご家族の毎日を支えます。