イチゴ由来成分を応用した新候補薬が運動機能を改善
ロモノーソフ・モスクワ国立大学とモスクワ物理工科大学の研究チームは、パーキンソン病の新たな治療候補となる化合物「ORA471」を開発し、動物実験で運動機能の改善を確認したと発表しました。研究成果は学術誌「Bioorganic Chemistry」に掲載されています。
ORA471は、イチゴやザクロに含まれる天然成分ウロリチンAに着想を得た化合物を基に開発されました。研究チームは27種類の候補物質を合成し、その中でORA471が最も高い活性を示しました。ヒト由来の神経芽細胞株では、細胞内に蓄積した不要なタンパク質や傷ついたミトコンドリアを除去する「オートファジー」と「マイトファジー」を強く促進し、従来の候補物質より毒性も低いことが確認されました。
さらに、パーキンソン病モデルの線虫やゼブラフィッシュでは、神経毒によって低下した運動能力が改善し、健康な個体に近いレベルまで回復しました。マウスを用いた安全性試験でも一定の安全性が確認され、今後の研究につながる結果となりました。
現在のパーキンソン病治療は主に症状を和らげることが目的で、病気の進行そのものを止める薬はまだありません。ORA471は細胞の根本的な維持機構に働きかける新しいアプローチとして期待されています。ただし、現時点では基礎研究の段階であり、人で有効性や安全性が確認されたわけではありません。実用化には化合物の改良、前臨床試験、臨床試験など多くの段階を経る必要があり、実際の治療薬となるまでには長い時間がかかる見込みです。
詳しい内容は元記事をご覧ください。
出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
この記事をシェア
パーキンソン病とともに生きる毎日を、
生活のリズムから支えるデジタルコンパニオン
知りたい情報をあつめることから、薬・栄養・活動を「その日の時間」に合わせて整えることまで。患者さんとご家族の毎日を支えます。