腸と脳のつながりが開くパーキンソン病の新たな治療戦略
近年、パーキンソン病と腸内環境の深い関係が注目されています。腸と脳は神経や免疫、代謝を介して双方向に情報をやり取りする「腸―脳相関」で結ばれており、この仕組みの異常が病気の発症や進行に関わる可能性があると考えられています。
ベルギー・ゲント大学病院などの研究グループは、便微生物移植(FMT)の臨床試験「GUT-PARFECT」を実施しました。50〜65歳のパーキンソン病患者46人を対象に、健康な人の腸内細菌を移植したグループと、自分自身の便を移植した対照群を1年間比較した結果、健康な便を移植した患者では運動機能評価(MDS-UPDRS)が平均5.8点改善し、対照群の2.7点を上回りました。また、便秘の改善が運動症状の改善より先に現れたことから、腸内環境の変化が神経機能へ良い影響を及ぼした可能性が示唆されました。
一方で、これまでに実施された6件の無作為化比較試験では結果にばらつきがあり、FMTの有効性はまだ確立されていません。研究者らは、投与方法や適切なドナーの選び方、どのような患者が効果を得やすいかなど、多くの課題が残されていると説明しています。
今後は、より大規模な多施設共同試験を行うとともに、炎症や腸内細菌が作る代謝物、細胞外小胞などの仕組みを詳しく調べ、より精密な治療法の開発を目指しています。将来的には、特定の善玉菌を利用した治療や食事療法など、一人ひとりに合わせた「精密マイクロバイオーム治療」へ発展する可能性も期待されています。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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