ウイルスがパーキンソン病を引き起こす可能性を裏付ける新モデル
アメリカ・Texas A&M大学の研究チームは、マウスに自然感染するタイラー脳脊髄炎ウイルス(TMEV)を利用した新しいパーキンソン病モデルを開発し、ウイルス感染だけで患者にみられる特徴的な脳の変化や運動障害を再現できることを明らかにしました。研究成果は学術誌「Brain, Behavior, & Immunity - Health」に掲載されました。
これまでパーキンソン病の研究では、遺伝子改変や神経毒を用いた動物モデルが主流でした。しかし、それらは実際の発症過程を十分に再現できないという課題がありました。今回の研究では、マウスに自然感染するウイルスを用いた結果、感染から1週間でドーパミン神経細胞への感染が確認され、1か月後には神経細胞の減少が認められました。さらに、歩行能力やバランス、運動速度も時間の経過とともに低下し、人のパーキンソン病によく似た症状が再現されました。
パーキンソン病は、遺伝的要因だけでなく環境要因や炎症が複雑に関わる病気と考えられています。研究者らは以前から「ウイルス感染による脳の炎症が発症の引き金になる可能性」を指摘してきましたが、今回の成果はその考えを実験的に裏付ける重要な一歩となります。ただし、この研究で使われたウイルスはマウス特有のものであり、人で同じ現象が起こることを示したわけではありません。
今後は、このモデルを従来の動物モデルと比較しながら、発症前に現れるバイオマーカーの探索や、ウイルス感染後に免疫反応が脳へ与える影響の解明が進められる予定です。患者さんに直接新しい治療法が提供される段階ではありませんが、パーキンソン病がどのように始まるのかという根本的な仕組みの理解が進めば、将来的な予防法や早期診断、病気の進行を抑える治療の開発につながることが期待されます。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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