ALS治療に転機 精密医療が希望を広げる
6月21日の世界ALSデーに合わせ、新華網は筋萎縮性側索硬化症(ALS、いわゆる「筋萎縮性側索硬化症」)の最新研究について報じました。ALSは運動神経が徐々に失われ、手足の筋力低下や呼吸障害へと進行する神経変性疾患です。患者数は中国だけでも6万~10万人と推定されており、高齢化に伴い増加が予想されています。
これまでALSは有効な治療法が限られ、診断後の生存期間は一般的に2~5年とされてきました。しかし近年の研究により、ALSは単一の病気ではなく、複数の遺伝子異常や環境要因が関与する「疾患群」であることが明らかになっています。
記事では、SOD1遺伝子変異を持つ患者の事例が紹介されました。この患者は遺伝子検査で原因が特定され、2025年から中国で臨床使用が始まったアンチセンス核酸医薬「トフェルセン(Tofersen)」による治療を受けました。薬剤は異常なSOD1タンパク質の産生を抑制し、神経細胞へのダメージを軽減します。その結果、診断当初はペットボトルのふたも開けられなかった患者が、治療開始後には長時間立って料理ができるまで回復したと報告されています。
研究者らは、これまでALS治療が難航してきた理由として、「全ての患者を同じ病気として扱っていたこと」を挙げています。今後は患者ごとの遺伝子異常や病態に応じた精密医療が主流になると考えられています。
現在、中国では遺伝子治療、幹細胞治療、小分子薬、脳機能インターフェースなど30件以上のALS関連臨床試験が進行中です。また、多層的なオミクス解析を活用した早期診断や病型分類の研究も進められています。
パーキンソン病もALSと同じ神経変性疾患であり、近年は患者ごとの遺伝子背景や病態に応じて治療法を選択する「個別化医療」の流れが加速しています。本記事は、難病とされてきた神経疾患の治療が、精密医療によって新たな段階へ進みつつあることを示しています。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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