ミトコンドリア機能改善を狙う新薬がパーキンソン病第II相試験へ

トルコの製薬企業GEN Pharmaceuticalsは、パーキンソン病治療薬候補「SUL-238」の第II相臨床試験で最初の患者への投与を開始したと発表しました。試験名は「SHEPHERD試験」で、未治療の早期パーキンソン病患者を対象に実施されます。

現在のパーキンソン病治療は主に症状を和らげることが中心で、病気そのものの進行を抑える治療法はまだ限られています。そのため、病態の根本に働きかける治療法の開発が世界中で進められています。

今回のSUL-238は、細胞内でエネルギーを作り出す「ミトコンドリア」の機能低下に着目した薬剤です。パーキンソン病では神経細胞内のミトコンドリア機能障害や酸化ストレスが病気の進行に関与すると考えられており、SUL-238はミトコンドリアのエネルギー産生を高めることで神経細胞を保護することを目指しています。

SHEPHERD試験は無作為化二重盲検プラセボ対照試験として行われ、磁気共鳴分光法(31P-MRS)を用いて脳内の高エネルギーリン酸化合物の変化を評価します。治療をまだ受けていない早期患者を対象とすることで、病気の初期段階におけるミトコンドリア機能への影響を詳しく調べる計画です。

前臨床研究や第I相試験では安全性や薬物動態が評価されており、脳脊髄液への移行性も確認されています。ただし、現時点では有効性はまだ証明されておらず、今回の第II相試験は実際に患者で効果を確認する重要な段階となります。

近年、パーキンソン病研究ではαシヌクレイン、炎症、遺伝子異常、リソソーム機能などさまざまな標的が検討されています。ミトコンドリア機能を改善する治療法も有力な候補の一つであり、今回の試験結果は今後の治療開発に大きな影響を与える可能性があります。

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出典

本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。

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