歩く速さの低下は脳と体からのサイン 認知症との関係を整理
歩く速さや歩き方の変化は、単なる足腰の衰えだけでなく、脳と身体の健康状態を映すサインかもしれません。東京都健康長寿医療センターの桜井良太専門副部長と、カナダ・ウエスタン大学のマヌエル・モンテロ・オダッソ(Manuel Montero-Odasso)教授らは、歩行機能低下と認知症の関係について既存研究を整理しました。
これまでの研究では、歩行機能が低下した高齢者は認知症の発症リスクが約1.2~2.3倍高いことが報告されています。歩行速度の低下などは、アルツハイマー病に関連するアミロイドβやタウの蓄積、海馬萎縮などとの関連も示されています。一方、歩行機能低下はアルツハイマー病だけにみられる変化ではありません。
パーキンソン病をはじめ、レビー小体型認知症、脳血管障害、フレイル、筋力低下、関節疾患などでも歩行は変化します。このため「歩くのが遅くなったから認知症になる」と考えるのは適切ではありません。今回の総説でも、血管リスクや身体活動、神経変性、生活習慣、加齢など複数の要因が重なっている可能性が指摘されています。
パーキンソン病では、歩行速度の低下や歩幅の変化、すくみ足などが起こることがあります。普段から歩き方を観察しておくことは、症状や体力の変化に気づく手がかりになります。以前より歩く速度が明らかに遅くなった、転びやすくなったなどの変化が続く場合には、自己判断で認知症と結び付けるのではなく、主治医やリハビリ専門職に相談し、運動機能や認知機能、薬の影響、生活環境などを総合的に確認することが大切です。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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