LRRK2遺伝子が初期の脳細胞異常を引き起こす仕組みを解明
パーキンソン病の代表的な原因遺伝子の一つ「LRRK2」が、神経細胞が失われるよりも前に、脳内で異常を引き起こしていることが明らかになりました。米ノースウェスタン大学の研究チームは、この成果を国際学術誌「Nature Communications」に発表しました。
研究では、マウスとヒトの脳を解析した結果、LRRK2変異は特に障害を受けやすいドーパミン神経に多く存在し、ドーパミンを放出する「シナプス」の働きを低下させることが分かりました。研究チームは、高精細な画像解析やタンパク質解析を用いて、神経細胞がまだ失われていない段階でも、ドーパミン放出部位である「アクティブゾーン」の構造が乱れ、運動中の動物では実際にドーパミン放出量が減少していることを確認しました。
その背景には、LRRK2変異によってRAB3タンパク質のリン酸化が過剰になり、RIM1・RIM2との正常な結合が妨げられることで、シナプスの機能が損なわれる仕組みがあると考えられています。つまり、神経細胞が死ぬことより前に「神経同士の情報伝達」が壊れ始めている可能性が示されました。
現在、LRRK2を標的とした治療薬は臨床試験が進められており、今回の研究によって、本当に障害を受けやすい神経細胞で薬の効果を評価できる新たな研究基盤が整うと期待されています。
パーキンソン病は症状が現れた時点ではすでに多くの神経細胞が失われていると考えられています。今回の成果は、神経細胞が残っている早い段階で異常を見つけて治療する「疾患修飾療法」の実現に向けた重要な一歩といえます。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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