母と歩く時間が教えてくれるケアの本質

『ゆっくり歩く』は、パーキンソン病を患う母との日々を綴った小川公代さんのエッセイです。
本書を紹介するのは、小説家・詩人の青野暦さんです。
青野さんは、本書を「人に会いたくなる本」だと評します。
小川さんの文章は閉じた世界にとどまらず、多くの文学や思想、家族の記憶とつながる「多孔的」な構造を持っています。
読む人の中にある他者との距離感を、やわらかくほどいてくれる力があるといいます。
本書の中心にあるのは、難病であるパーキンソン病を患った母の介護です。
小川さんは大学で研究を続けてきた立場から、「エピステモロジー(認識論)」という客観的な知の枠組みと、「オントロジー(存在論)」という目の前の人間の存在をどう受け止めるかという問いの間で思索を深めます。
論文的な距離を保つ姿勢から、母とともに生きる実践へ。
評論からエッセイへと文体を変えながら、ケアのあり方を模索します。
母は「お父さんのところへ行きたい」…

本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。

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