パーキンソン病の方を支えるご家族や周囲の方ができるサポート

パーキンソン病の方は、身体の動きが不自由になるだけでなく、気分の落ち込みや不安を感じることがあります。ご家族や周囲の方のサポートが、病気と向き合う上で大きな助けになります。しかし、サポートする側も無理をしすぎないことが大切です。

「自立を支えながら、
無理なくサポートする」ことが理想的です。

監修 池中 建介・大阪大学 神経内科学講座
身体のサポート(安全対策)
転倒を防ぐ工夫 パーキンソン病の方は、歩行のバランスが崩れやすく、転倒のリスクが高いため、安全対策が重要です。 家の中の環境を整える
  • 床に物を置かない(コードやマットは片付ける)
  • 滑りにくい床材を使用する
  • 階段やトイレ・浴室に手すりを設置する
  • 夜間の移動のために足元ライトをつける
完全に手助けするのではなく、できることをサポートすることで、自立を促せます。
歩くときのサポート
  • 転倒しそうになったときに手を貸す
  • 外出時は「ゆっくり歩く」「無理をしない」ことを意識する
  • サポートする方は、症状の重い側に立つとサポートしやすい
食事のサポート パーキンソン病では、嚥下(えんげ)障害や食事の動作の難しさが出ることがあります。 食べやすい工夫
  • 小さめの一口サイズにする
  • とろみをつけて飲み込みやすくする
  • すべりにくい食器を使う(シリコンマット、持ちやすいスプーン)
服薬タイミングの確認
  • レボドパ(パーキンソン病の薬)は食事のタンパク質と相性が悪いため、飲むタイミングを意識する
  • 飲み忘れ防止のために、服薬スケジュールを一緒に確認する
「食べやすい形状」と「薬のタイミング」を意識することが大切です。
睡眠のサポート パーキンソン病の方は、不眠やレム睡眠行動障害(夢を見ながら体を動かす)が起こることがあります。 睡眠環境を整える
  • 寝室の明るさや温度を調整する(快適な環境を作る)
  • 夜中に起きたときの転倒を防ぐために、足元ライトを設置する
  • 寝る前にリラックスできる時間を作る(音楽、アロマ、ストレッチなど)
ぐっすり眠れる環境づくりが、体調管理のサポートにつながります。
精神的なサポート
気持ちに寄り添う

パーキンソン病の方は、気分が落ち込みやすい傾向があります。「できなくなったこと」ではなく、「できること」に目を向けることが大切です。

励ましすぎないサポート
  • 「頑張って!」よりも、「一緒にやってみようか」という声かけがおすすめです
  • 「まだできるでしょ?」とプレッシャーをかけない
話を聞くことも大切
  • 「不安なことがあれば、いつでも話してね」と安心感を与える
  • 落ち込んでいるときは、無理に励まさず、寄り添う
「話を聞く」「共感する」ことが、気持ちの安定につながります。
社会とのつながりを保つサポート パーキンソン病の方は、外出や人との交流を控えがちになることがあります。「社会とのつながり」を維持することで、気持ちの安定につながります。 外出のサポート
  • 無理のない範囲で散歩や買い物に一緒に出かける
  • 旅行や趣味のイベントに参加する機会を作る
患者会やサポートグループを活用
  • 同じ病気の方と交流すると、不安が軽減される
  • オンラインの交流会なども活用する
人とのつながりが、前向きな気持ちを保つカギになります。
介護する側の負担を減らす工夫

支える人が、倒れないために

パーキンソン病の方を支えるご家族も、介護疲れにならないようにすることが大切です。

  • 「完璧にやらなきゃ」と思わない
  • ときには休む時間を作る(リフレッシュする)
  • 周囲の人に頼る(ケアマネージャーや訪問介護を活用する)

介護する人の健康が、良いサポートにつながります。家族だけで頑張らないことが、長く支えるコツです。

介護サービスを活用する

すべてを家族だけで抱え込まず、外部のサポートを活用することも重要です。

  • 訪問リハビリを利用する(理学療法士が自宅で指導)
  • デイサービスに参加する(社会とのつながりを保つ)
  • 介護保険サービス(手すりの設置、歩行器のレンタルなど)を活用する

まとめ

パーキンソン病の方を支えるためには、「身体」「心」「社会」「介護者自身」の4つのポイントを意識することが大切です。

  • 身体のサポート:転倒予防、食事の工夫、睡眠環境の整備
  • 精神的なサポート:気持ちに寄り添い、「できること」に目を向ける
  • 社会とのつながりを保つ:外出や趣味、患者会の活用
  • 介護する側の負担を減らす:無理をせず、介護サービスを活用

「支えすぎる」のではなく、
「自立をサポートする」ことが、本人にとっても家族にとっても大切です。

医療監修 池中 建介/大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学講座

本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。

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