パーキンソン病の方を支えるご家族や周囲の方ができるサポート
パーキンソン病の方は、身体の動きが不自由になるだけでなく、気分の落ち込みや不安を感じることがあります。ご家族や周囲の方のサポートが、病気と向き合う上で大きな助けになります。しかし、サポートする側も無理をしすぎないことが大切です。
「自立を支えながら、
無理なくサポートする」ことが理想的です。
身体のサポート(安全対策)
転倒を防ぐ工夫
パーキンソン病の方は、歩行のバランスが崩れやすく、転倒のリスクが高いため、安全対策が重要です。
家の中の環境を整える
- 床に物を置かない(コードやマットは片付ける)
- 滑りにくい床材を使用する
- 階段やトイレ・浴室に手すりを設置する
- 夜間の移動のために足元ライトをつける
歩くときのサポート
- 転倒しそうになったときに手を貸す
- 外出時は「ゆっくり歩く」「無理をしない」ことを意識する
- サポートする方は、症状の重い側に立つとサポートしやすい
食事のサポート
パーキンソン病では、嚥下(えんげ)障害や食事の動作の難しさが出ることがあります。
食べやすい工夫
- 小さめの一口サイズにする
- とろみをつけて飲み込みやすくする
- すべりにくい食器を使う(シリコンマット、持ちやすいスプーン)
- レボドパ(パーキンソン病の薬)は食事のタンパク質と相性が悪いため、飲むタイミングを意識する
- 飲み忘れ防止のために、服薬スケジュールを一緒に確認する
睡眠のサポート
パーキンソン病の方は、不眠やレム睡眠行動障害(夢を見ながら体を動かす)が起こることがあります。
睡眠環境を整える
- 寝室の明るさや温度を調整する(快適な環境を作る)
- 夜中に起きたときの転倒を防ぐために、足元ライトを設置する
- 寝る前にリラックスできる時間を作る(音楽、アロマ、ストレッチなど)
精神的なサポート
気持ちに寄り添う
パーキンソン病の方は、気分が落ち込みやすい傾向があります。「できなくなったこと」ではなく、「できること」に目を向けることが大切です。
励ましすぎないサポート
- 「頑張って!」よりも、「一緒にやってみようか」という声かけがおすすめです
- 「まだできるでしょ?」とプレッシャーをかけない
話を聞くことも大切
- 「不安なことがあれば、いつでも話してね」と安心感を与える
- 落ち込んでいるときは、無理に励まさず、寄り添う
社会とのつながりを保つサポート
パーキンソン病の方は、外出や人との交流を控えがちになることがあります。「社会とのつながり」を維持することで、気持ちの安定につながります。
外出のサポート
- 無理のない範囲で散歩や買い物に一緒に出かける
- 旅行や趣味のイベントに参加する機会を作る
- 同じ病気の方と交流すると、不安が軽減される
- オンラインの交流会なども活用する
介護する側の負担を減らす工夫
支える人が、倒れないために
パーキンソン病の方を支えるご家族も、介護疲れにならないようにすることが大切です。
- 「完璧にやらなきゃ」と思わない
- ときには休む時間を作る(リフレッシュする)
- 周囲の人に頼る(ケアマネージャーや訪問介護を活用する)
介護する人の健康が、良いサポートにつながります。家族だけで頑張らないことが、長く支えるコツです。
介護サービスを活用する
すべてを家族だけで抱え込まず、外部のサポートを活用することも重要です。
- 訪問リハビリを利用する(理学療法士が自宅で指導)
- デイサービスに参加する(社会とのつながりを保つ)
- 介護保険サービス(手すりの設置、歩行器のレンタルなど)を活用する
まとめ
パーキンソン病の方を支えるためには、「身体」「心」「社会」「介護者自身」の4つのポイントを意識することが大切です。
- 身体のサポート:転倒予防、食事の工夫、睡眠環境の整備
- 精神的なサポート:気持ちに寄り添い、「できること」に目を向ける
- 社会とのつながりを保つ:外出や趣味、患者会の活用
- 介護する側の負担を減らす:無理をせず、介護サービスを活用
「支えすぎる」のではなく、
「自立をサポートする」ことが、本人にとっても家族にとっても大切です。
医療監修 池中 建介/大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学講座
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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