パーキンソン病について周囲に理解してもらうために

パーキンソン病の患者さんが、周囲の誤解を受けずに安心して生活できるように、周囲の理解を深めることが大切です。病気のことを正しく知ってもらい、必要なサポートを受けやすくすることで、患者さんの生活の質(QOL)を向上させることができます。

「病気を特別視しすぎず、
でも適切なサポートができる環境を整える」ことがポイントです。

監修 池中 建介・大阪大学 神経内科学講座
パーキンソン病について周囲に正しく理解してもらう
「パーキンソン病=単なる手の震え」ではないことを伝える

パーキンソン病というと、「手の震え(振戦)」だけの病気だと思われがちですが、それだけではありません。実際には、以下のような症状があることを理解してもらうことが重要です。

運動症状(身体の動きに関する症状)
  • 動作が遅くなる(寡動/動作緩慢)
  • 筋肉のこわばり(筋強剛/筋固縮)
  • バランスが悪くなり、転倒しやすくなる
  • すくみ足(歩き始めるのが難しくなる)
非運動症状(見えにくい症状)
  • 便秘、睡眠障害、嗅覚の低下
  • うつ、不安、意欲低下
  • 声が小さくなる、表情が乏しくなる(仮面様顔貌)
見た目だけでは分かりにくい症状も多いことを知ってもらうことが大切です。
「できること・できないこと」を正しく伝える

パーキンソン病の患者さんは、日によって症状の波があり、「昨日できたことが今日はできない」こともあります。

周囲の人が知っておくべきポイント

  • 「動作の遅れ」は意識的なものではない(決して怠けているわけではない)
  • 「調子が良い日」と「悪い日」があり、できることに波がある
  • 「できないことが増えるのがつらい」という気持ちを理解してほしい

無理をさせず、できる範囲で一緒に行動することが大切です。

周囲に「適切なサポート方法」を伝える

周囲の人がパーキンソン病患者さんに接するとき、どんなサポートが適切かを伝えると、患者さん自身も安心して過ごせます。

歩行時のサポート
  • 転倒しないように、ゆっくり歩くことを意識する
  • 急に手を引っ張らない(バランスを崩しやすい)
  • 歩き始めが難しい場合は「一歩前に出る合図」をするとスムーズに動けることがある
会話のサポート
  • 声が小さくなりやすいため、「聞こえにくい」ときは優しく伝える
  • 話すスピードが遅くても、せかさずに待つ

「どう手助けしたらいいか分からない」と思う人が多いので、具体的に伝えると安心です。

職場や友人関係での理解を深めるために
仕事仲間・職場の人に伝える場合

パーキンソン病と診断された方が仕事を続ける場合、職場の理解を得ることが重要です。伝えるべきポイントは次のとおりです。

仕事は続けられるが、無理のない範囲で配慮してほしい」
調子の良い時間帯と悪い時間帯があるため、柔軟に対応してもらえると助かる」
急な動作が難しいことがあるので、時間に余裕を持って対応したい」

「過度に気を使われすぎる」のではなく、「適度な配慮」が大切です。

友人関係での付き合い方
  • 病気を特別視せず、変わらず接する
  • 無理をしない範囲で、外出や趣味を一緒に楽しむ
  • 疲れやすいことを理解し、長時間の予定は避ける

病気を理由に距離を置かず、できることを一緒に楽しむことが一番のサポートです。

家族や親しい人ができること
家族として、周囲に情報を共有する 家族が「本人の代わりに病気について説明できるようにする」ことが、周囲の理解を深める助けになります。 具体的なアクション
  • 学校や職場の上司に、病気の概要を伝える
  • 近所の人に「困ったときは助けてもらえると嬉しい」と伝える
  • 患者会や支援団体の情報を共有する(全国パーキンソン病友の会など)
本人が説明しにくいことを、家族が伝えてサポートするのも大切です。
「正しい知識を得る場」を提供する パーキンソン病について理解してもらうために、情報提供の場を作ることも有効です。
  • 家族や友人に「パーキンソン病の基礎知識」を共有する
  • 職場や学校で「病気について知る勉強会」を開く
  • SNSや支援団体の情報をシェアする
周囲が病気を理解すれば、患者さんも安心して生活できます。

まとめ

パーキンソン病患者さんについて、周囲に理解してもらうために大切なことは以下の通りです。

  • 「見た目だけでは分かりにくい症状も多いこと」を知ってもらう
  • 「できること」と「できないこと」を伝え、無理をさせない
  • 歩行や会話など、適切なサポート方法を周囲に伝える
  • 職場では「必要な配慮」を伝え、無理なく働ける環境を整える
  • 友人関係では、病気を理由に距離を置かず、できることを一緒に楽しむ
  • 家族として、周囲に病気のことを説明し、理解を深める

「病気とともに、安心して社会で生きていける環境を作ること」が何よりも大切です。

医療監修 池中 建介/大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学講座

本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。

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