LRRK2はどう暴走する? パーキンソン病の新薬開発に設計図
米ワイル・コーネル・メディシンなどの研究チームが、パーキンソン病と深く関係するたんぱく質「LRRK2」が活動状態と休止状態を切り替える仕組みを分子レベルで明らかにしました。LRRK2を過剰に働かせる遺伝子変異は、遺伝性パーキンソン病の代表的な原因の一つです。また、こうした変異がなくてもLRRK2の活動が高まっている患者がいることが知られています。研究成果は科学誌「Cell」に掲載されました。
研究チームは電子顕微鏡などを使って16種類のLRRK2構造を解析しました。その結果、GDPという分子が結合しているとLRRK2はコンパクトな形になり、酵素が働く部分がふさがれて休止状態になることがわかりました。一方、GDPが外れると構造が変わって活動状態となり、GTPが結合することでその状態が安定します。さらに、パーキンソン病に関連する変異の種類によって、LRRK2を活性化させる仕組みが異なることも示されました。
この発見が注目されるのは、LRRK2を単純に抑えるだけではない治療への道を示した点です。LRRK2は脳だけでなく免疫系、肺、腎臓などにも存在し、正常な役割も担っています。そのため、必要な働きを残しながら脳内の有害な活動だけを抑えることが課題です。今回明らかになった「オン・オフのスイッチ」を狙う薬が開発できれば、より精密にLRRK2を調節できる可能性があります。さらに将来は、患者が持つ遺伝子変異に応じて薬を選ぶ個別化治療につながることも期待されます。ただし、現段階は薬そのものの効果を患者で確認した研究ではなく、新薬設計につながる基礎研究として捉えることが大切です。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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