MRIやCTでパーキンソン病は診断できるのか?
MRIやCTでは、パーキンソン病を直接診断することはできません。しかし、他の類似疾患(脳卒中、腫瘍、正常圧水頭症、パーキンソン症候群など)を除外するために、補助的に行われます。
✓監修 池中 建介・大阪大学 神経内科学講座なぜMRIやCTではパーキンソン病を診断できないのか?
パーキンソン病は神経細胞が変性していく病気ですが、MRIやCTでは次のような理由で確認が難しいです。
神経細胞の変性は「微細な変化」だからMRIやCTは、主に「脳の構造の異常(出血や腫瘍、顕著な萎縮など)」を見る検査。パーキンソン病では脳の形や構造に顕著な変化がないため、MRIやCTでは異常が見つかりにくい。
異常がわかるのは「進行がかなり進んだ後」一部の進行したケースでは、MRIで大脳の一部の萎縮が見られることがあるが、早期の診断には使えない。
他の病気との区別には役立つMRIやCTで、脳卒中・脳腫瘍・正常圧水頭症などの病気がないことを確認し、パーキンソン病の可能性を高めるために使われる。
MRIやCTで診断可能な類似疾患(パーキンソン症候群)
パーキンソン病と似た症状を示す「パーキンソン症候群」には、MRIで異常が確認できるものがあります。
| 病名 | MRI/CTの特徴 |
|---|---|
| 進行性核上性麻痺(PSP) | 中脳の萎縮(ハチドリサイン)が見られる。 |
| 多系統萎縮症(MSA) | 小脳・橋の萎縮(十字サイン)や基底核の萎縮が見られる。 |
| 大脳皮質基底核変性症(CBD) | 大脳皮質の萎縮(左右差がある)が見られる。 |
| 正常圧水頭症(NPH) | 脳室の拡大(歩行障害・認知症との関連)が見られる。 |
| 脳梗塞や脳腫瘍 | 病変部がはっきり写るため、パーキンソン病と区別しやすい。 |
このように、MRIやCTは「パーキンソン病ではない」ことを確認するための除外診断として重要です。
診断に有用な特殊な画像検査
MRIやCTでは診断が難しいパーキンソン病ですが、神経の働きを評価する「機能画像検査」が診断に役立ちます。
ドパミントランスポーターシンチ(DATスキャン)
- 脳内のドパミン神経の減少(機能の低下)を確認するための検査。
- パーキンソン病ではドパミン神経が減少しているため、DATスキャンで異常が見られる。
- 薬剤性パーキンソニズム(薬が原因の症状)、脳血管性パーキンソニズムとの区別に役立つ。
MIBG心筋シンチグラフィー
- パーキンソン病では心臓の交感神経が障害されるため、この検査で異常が確認できる。ただしレビー小体型認知症でも障害されるため、その他の検査と合わせて判断する。
- 多系統萎縮症や進行性核上性麻痺との鑑別にも有用。
まとめ
- MRIやCTでは、パーキンソン病の直接診断はできない。
- ただし、類似疾患(脳卒中・進行性核上性麻痺・多系統萎縮症など)を除外する目的で使われる。
- パーキンソン病の診断には「問診と神経診察」が最も重要。
- 補助的に「DATスキャン」や「MIBG心筋シンチ」などの特殊な画像検査が役立つ。
MRIやCTで異常がないからといって「パーキンソン病ではない」とは限らないので、慎重な診断が必要です。
医療監修 池中 建介/大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学講座
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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