パーキンソン病と仕事の両立:診断後も働き続けることは可能か?

パーキンソン病の診断を受けた後も、多くの方が仕事を続けています。病気の進行度や職種によって対応が異なりますが、適切なサポートや働き方の工夫を取り入れることで、仕事を継続することが可能です。「自分に合った働き方を見つける」ことがポイントです。

監修 池中 建介・大阪大学 神経内科学講座
パーキンソン病と仕事の関係
初期〜中期の段階では仕事を続けられることが多いパーキンソン病の症状は進行がゆっくりで、初期段階では薬の効果も安定しているため、仕事を続けられることが多い。事務職やデスクワークなど、体の負担が少ない仕事は特に長く続けることが可能。
症状が進行すると、働き方の工夫が必要手の震え(振戦)や動作の遅れ(寡動)が強くなると、業務に支障が出ることもある。「勤務時間の調整」「仕事内容の見直し」「職場の理解」が重要になる。
ヒント:「病気の進行に合わせて、働き方を調整すること」がポイントです。
仕事を続けるための工夫
体調管理を最優先する
  • 薬の効果が安定する時間帯に仕事をする
    パーキンソン病の治療薬(レボドパなど)は、時間によって効果が変動するため、薬の効果が安定している時間帯に重要な業務を行うのが理想的。昼休憩を長めに取り、午後に無理をしない働き方を考えるのも有効。
  • 疲れすぎないように適度に休憩を取る
    長時間の作業は避け、適度な休憩を入れることで集中力を維持できる。デスクワークなら1時間ごとに立ち上がって体を動かす。
ヒント:「無理をせず、体調に合わせて働く」ことが大切です。
仕事環境を整える
手の震え(振戦)が気になる場合の工夫
  • キーボード入力が難しい場合は、音声入力ソフトを活用
  • 筆記が難しい場合は、電子メモやタブレットを利用する
歩行やバランスの問題に対応
  • 通勤時にエレベーターを利用する、通勤ラッシュを避ける
  • 在宅勤務(テレワーク)を取り入れる
ヒント:「できることをサポートするツールを活用する」ことで、業務の負担を軽減しましょう。
職場に病気を伝えるかどうかを考える
職場に病気を伝えるメリット
  • 周囲の理解を得られることで、仕事の調整がしやすくなる
  • 通院やリハビリの時間を確保しやすい
  • 職場環境の調整(勤務時間の変更、負担の少ない業務への配置転換など)が可能
伝えるタイミング
  • 診断後すぐに伝える必要はなく、「症状が業務に影響を及ぼし始めた時点」で相談するのも選択肢の一つ。
  • 人事部や産業医と相談すると、働きやすい環境を整えるサポートを受けやすい。
ヒント:「伝えることで、職場のサポートを受けやすくなる」こともあります。
働き方の選択肢
フルタイム勤務を続ける初期段階では、フルタイムで働くことが可能なことが多い。職場の理解があれば、勤務時間の調整や在宅勤務を取り入れることもできる。
短時間勤務(時短勤務)に切り替える「フルタイムは厳しいけれど、仕事を続けたい」場合に有効。パートタイムやフレックスタイム制を活用することで、無理なく働ける。
在宅勤務(テレワーク)を活用する通勤が負担になる場合は、在宅勤務を取り入れるのも有効。リモートワークが可能な業種(事務職・IT関連など)では、体調に合わせて働きやすい。
ヒント:「体調に合わせて、柔軟な働き方を選ぶ」ことが大切です。
ヒント:「通勤の負担を減らす」ことで、長く働き続けることが可能になる場合もあります。
仕事を続けるのが難しくなった場合の支援制度

障害者手帳(身体障害者手帳)の取得

  • 症状が進行して、歩行や動作が困難になった場合に取得可能。
  • 手帳を取得すると、障害者雇用枠での就労支援を受けられることもある。

申請方法:市区町村の福祉課で申請(医師の診断書が必要)

「障害者雇用を活用して、負担を減らして働き続ける」選択肢もあります。

障害年金

  • 仕事が続けられなくなった場合、障害年金の申請を検討する。
  • パーキンソン病は、症状の進行によって「障害基礎年金」「障害厚生年金」の対象になることがある。

申請方法:年金事務所または市区町村の年金窓口で相談

「仕事が難しくなった場合の経済的支援」として活用できるものもあります。


まとめ

仕事を続けるために

  • 体調管理を優先し、勤務時間を調整する
  • 手の震えや歩行の問題には、ツールや環境を工夫する
  • 病気を職場に伝えるかどうかを慎重に検討する
  • 在宅勤務や時短勤務を活用する

仕事が難しくなった場合の支援

  • 障害者手帳を取得すると、働きやすい環境が整う
  • 障害年金を活用して、経済的な負担を軽減する

「無理をせず、できる範囲で働き続ける」ことが大切です。

医療監修 池中 建介/大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学講座

本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。

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