パーキンソン病の主な症状と特徴的なサイン
パーキンソン病は、運動症状と非運動症状の両方が現れる神経変性疾患です。初期の症状はわかりにくいことがあり、「歳のせいかな?」と思われがちですが、以下のようなサインが見られたら注意が必要です。
✓監修 池中 建介・大阪大学 神経内科学講座代表的な4大運動症状
パーキンソン病の特徴的な運動症状は以下の4つです。
(1) 震え(振戦/しんせん)
- 安静時(静止時)振戦(じっとしているときに手足が震える)が特徴的。
- 片手の指先や手首から始まることが多い(コインを数えるような動き)。
- 緊張すると震えが強くなり、動作をすると震えが減る。
- 進行すると反対側の手や足にも広がる。
(2) 動作の遅れ(動作緩慢・寡動/かどう)
- 体を動かすスピードが遅くなり、動作がぎこちなくなる。
- 歩き始めが遅く、歩幅が小さくなる(すり足歩行)。
- 服のボタンを留める、字を書くなどの細かい動作が難しくなる。
- 手の振りが少なくなる(片側だけ振りが小さいことも)。
(3) 筋肉のこわばり(筋強剛/きんきょうごう)
- 手足や首、体の筋肉が固くなり、動きづらくなる。
- 腕を動かしたときに「カクカク」とした抵抗を感じる(歯車様固縮)。
- 表情筋の動きも減り、無表情(仮面様顔貌)になることも。
(4) バランス障害(姿勢反射障害/しせいはんしゃしょうがい)
- 体のバランスが悪くなり、転びやすくなる。
- 歩き始めると止まれない「突進歩行」が見られることがある。
- 方向転換がしづらく、体が傾いたまま倒れることも。
特徴的な初期サイン
病気が本格的に進行する前に、次のような「前兆」が現れることがあります。
嗅覚の低下(においがわからなくなる)食べ物の香りが感じにくくなる。風邪でもないのに、コーヒーや花の香りがわからない。
便秘長年続く頑固な便秘(腸の動きが遅くなるため)。繊維質の食事や水分をとっても改善しにくい。
うつ症状や不安感気分が落ち込む、やる気が出ない。不安を強く感じることが増える。
睡眠障害寝ている間に怖い夢を見て、激しく動いたり大声を出す(レム睡眠行動障害)。不眠、夜中に何度も目が覚める。
小さな字を書く(小字症)以前より字が小さく、読みにくくなる(手の動きが鈍くなるため)。筆圧が弱くなり、書き始めよりどんどん字が小さくなる。
声が小さくなる(小声症)話す声が小さくなり、早口で聞き取りにくくなる。周囲から「最近、声が小さくなったね」と言われる。
歩き方の変化片側の腕の振りが少なくなる。歩幅が小さくなり、足をすりながら歩く。方向転換がスムーズにできなくなる。
非運動症状
パーキンソン病は運動症状だけでなく、以下のような非運動症状(体の動き以外の症状)も伴います。
| 非運動症状 | 特徴 |
|---|---|
| 嗅覚障害 | においを感じにくくなる(コーヒーやカレーの香りがわからない)。 |
| 便秘 | 腸の動きが鈍くなり、頑固な便秘が続く。 |
| うつ・不安 | 落ち込みやすくなり、気分の波が激しくなる。 |
| 認知機能の低下 | 記憶力の低下、注意力の低下が見られることがある。 |
| 自律神経症状 | 血圧の変動、立ちくらみ、発汗異常が起こることがある。 |
| 睡眠障害 | 夜中に目が覚める、寝ている間に夢を見ながら動く(レム睡眠行動障害)。 |
| 疲労・倦怠感 | 体がだるく、疲れやすい。 |
まとめ
パーキンソン病の症状は運動症状と非運動症状に分かれ、個人差があります。
代表的な4大運動症状
- 震え(振戦):安静時に手足が震える
- 動作の遅れ(寡動):歩幅が小さくなり、動作がぎこちなくなる
- 筋肉のこわばり(筋強剛):手足がカクカクして動かしにくい
- バランス障害(姿勢反射障害):転びやすくなる
特徴的な初期サイン:嗅覚の低下・便秘・うつ症状・小さな字を書く(小字症)・声が小さくなる(小声症)・歩き方が変わる
非運動症状:便秘、嗅覚障害、睡眠障害、うつ・不安、自律神経症状(立ちくらみ、発汗異常)
「震えがないからパーキンソン病ではない」とは限りません。非運動症状が先に現れることもあるため、違和感があれば早めに医師に相談することが大切です。
医療監修 池中 建介/大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学講座
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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