脳細胞を守る新標的酵素、パーキンソン病治療に期待
パーキンソン病は世界で1,000万人以上が影響を受ける神経変性疾患で、現在の治療は主に症状を和らげることが中心です。一方で、神経細胞そのものの減少を防ぐ治療法の開発は大きな課題となっています。
米クリーブランド・メディカルセンターの研究チームは、パーキンソン病患者の脳組織と3種類のマウスモデルを調べた結果、「15-PGDH」という酵素が通常よりも高いレベルで存在していることを確認しました。この酵素を阻害する薬剤を投与すると、脳細胞を傷つける活性酸素の産生が抑えられ、脳内の炎症や神経細胞の死が減少し、運動機能も改善しました。研究成果は学術誌「Redox Biology」に掲載され、2025年Cozzarelli Prize in Biomedical Sciencesも受賞しています。
今回の研究で注目されるのは、15-PGDH阻害薬がもともと組織再生や抗加齢分野で開発が進められている薬剤であり、それを神経変性疾患にも応用できる可能性が示された点です。新たな薬を一から開発するよりも臨床応用までの期間を短縮できる可能性があり、今後の研究の進展が期待されます。
ただし、この成果は現時点では基礎研究の段階であり、人で同様の効果が得られるかは今後の臨床試験で確認する必要があります。それでも、病気の進行そのものを抑える治療法につながる可能性を示した重要な成果といえます。患者さんやご家族にとっても、将来の治療選択肢が広がる可能性を感じられる研究として、今後の続報に注目したいところです。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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