パーキンソン病の根本治療へ マルタ大学が新研究
マルタ大学の研究チームが、パーキンソン病の進行そのものを抑える新たな治療法開発につながる研究プロジェクト「Minds」を進めています。
この研究はマルタ政府の支援を受けており、細胞内でエネルギーを作る「ミトコンドリア」の異常に注目しています。研究を率いるネビル・ヴァッサロ(Neville Vassallo)教授によると、パーキンソン病は現在、世界で最も急増している神経疾患の一つで、ヨーロッパでは2050年までに患者数が50%増えると予測されています。
パーキンソン病は、脳内でドーパミンを作る神経細胞が徐々に失われることで起こります。震えや動作の遅れ、歩行障害だけでなく、睡眠障害、うつ、認知症などを伴う場合もあります。
現在の代表的な治療薬「シネメット(Sinemet)」や、深部脳刺激療法(DBS)は症状改善には役立つものの、病気そのものの進行を止めることはできません。
今回の「Minds」プロジェクトでは、実験室で培養したドーパミン神経細胞を使い、ミトコンドリアがどのように損傷し、細胞死につながるのかを詳しく調べます。
研究チームはさらに、ミトコンドリアを守る新たな化合物探索も進めており、将来的には進行抑制型治療につながる可能性があると期待されています。
この研究はドイツのマックス・プランク研究所などとも連携して進められ、数千種類の化合物を用いた評価が行われます。ただし研究者らは、「すぐに治療薬ができるわけではなく、実用化には10年以上かかる可能性がある」と慎重な姿勢も示しています。
近年のパーキンソン病研究では、「症状を和らげる治療」から、「神経細胞を守る治療」へと大きく方向転換が進んでいます。
今回の研究は、その流れを支える基礎研究の一つとして注目されそうです。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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