パーキンソン病増加の背景を再検証 欧州大規模研究
フランスのParis Brain InstituteとスウェーデンのKarolinska Institutetの研究チームは、パーキンソン病、多発性硬化症(MS)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む運動機能に影響する神経変性疾患について、約20年にわたる大規模疫学データを分析した結果を発表しました。
研究では、フランスとスウェーデンの全国医療データベースを用いて数十万人規模の患者情報を解析しました。その結果、2003年から2022年にかけて患者総数(有病率)はパーキンソン病で年1.4%、MSで年2.9%、ALSなど運動ニューロン病で年2.8%増加していました。
しかし詳しく分析すると、増加の背景は病気ごとに異なっていました。MSでは新規患者数はほぼ変わらない一方、治療の進歩により患者の生存期間が延びたことが増加の主因でした。ALSでは高齢化の影響を受けながらも、新規発症率そのものが年1.8%増加していました。
一方、パーキンソン病では意外な結果が示されました。患者数は増えているものの、高齢化の影響を補正すると新規発症率は年間1.4%ずつ低下していたのです。研究者らは、農薬や工業用溶剤など既知の危険因子への曝露が過去より減少している可能性を指摘しています。
また、2003年から2013年までは改善していたパーキンソン病患者の生存期間が、2013年以降はわずかに低下していました。研究チームは、新型コロナウイルス感染症による高齢患者への影響が一因である可能性を挙げています。
今回の研究は、神経変性疾患の患者数増加が必ずしも発症リスクの急増を意味するわけではないことを示しました。研究者らは今後、欧州全体での比較研究を進め、疾患の危険因子や予防策の解明につなげたいとしています。
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出典
本記事は情報提供を目的としたもので、医療上の助言・診断・治療に代わるものではありません。症状や治療方針については主治医にご相談ください。
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